皆様おはようございます。
本日はプレコンセプションについてまとめました。
プレコンセプションケアについては、メディカルドキュメントという医療メディア(https://medicaldoc.jp/)で監修をさせていただきました。近日公開となります。
ワークショップ:プレコンセプション
- プレコンセプションケアとは、1980年代に提唱され始めた概念で「妊娠前からの健康管理が、次世代の健康状態および自身のその後の人生の健康状態を改善する」という考え方に基づいた、いわゆる妊娠前の準備。
耐糖能異常
- 耐糖能異常(糖尿病)がある場合、妊娠に向けてHbA1cは6.5%以下が理想的。また葉酸を摂取すると奇形発生率は半分以下になる。
- ACE阻害剤、スタチンの使用を妊娠前は避ける
- 糖尿病患者のプレコンセプションケアのポイントは、
①血糖値の管理と葉酸の摂取
②望まない妊娠の回避
③合併症の把握(網膜症、腎症の把握・治療、血圧の管理)
④至適体重に向けた体重コントロールの強化・・である。
- 耐糖能異常がある患者さんにプレコンセプションケアを行っている外来を受診してもらうために医療者に何ができるのか・・
- 10代でも妊娠する可能性があるという認識を持ってもらう
- 内科・小児科との情報の共有
- 思春期における性教育の充実
子宮内膜症
- 子宮内膜症性嚢胞(チョコレート嚢腫)がある場合、その存在自体が卵巣機能を低下させていると考えられている。しかし、摘出手術により卵巣機能は低下する。
- 術後の再発を防ぐために、いわゆるピルは有効である。(周期服用より連続服用がより効果的)
- したがって、妊娠したければすぐに妊娠するよう促す。特に希望がない場合で痛みが強く、内服治療も難しい場合には手術を選択することになるが、できるだけ卵巣機能が落ちないように手術を行い、その後再発をさせないよう治療をすることが大事である。
- 海外の文献では、子宮内膜症がある患者が妊娠した場合、早産は1.6倍、流産は1.75倍増加する。また、前置胎盤は3倍、帝王切開率は5倍、産後出血は3.7倍、輸血を要する率が3.6倍増加するとの報告がある。
- 日本では、切迫早産が1.53倍、前置胎盤が6.42倍、常位胎盤早期剥離は3.45倍増加するとの報告がある
- これらの報告から、子宮内膜症は早期に発見し介入することが望ましい。
一般的ないわゆるプレコンセプションケアよりもよりディープな内容でした。望まない妊娠の回避と自身の体についてよく知るということが大事なのかなと感じました。では皆様、お元気でお過ごしください。。