
ごあいさつ
皆様の温かいご支援とご協力を賜り、私たちのクリニックは2022年7月に2周年を迎えることができました。改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。
「女性の美と健康を守り、すこやかな生活を支えていきたい」という思いから、婦人科特有の月経困難症(生理痛)や月経前症候群(PMS)、更年期症候群の治療を中心に、妊婦健診、子宮頸がん検診の精密検査、不妊治療、子宮頸がんワクチンの接種、新型コロナワクチンの接種などの医療を提供させていただいてまいりました。また、出来うる範囲で産婦人科領域に関連しうる美容医療や点滴療法にも取り組んでまいりました。これからも、産婦人科や美容医療、点滴療法に関係のある学会に積極的に参加し新しい知識を吸収することで、通院頂いている皆様のお役に立てるよう私たちクリニックスタッフ一同で頑張ってまいります。
さて、私たちのクリニックは先日、財団法人Nightingale(ナイチンゲールと読みます)、を設立いたしました。この財団法人の設立は、私が自身のクリニックを開院するよりずっと前、およそ今から14年前くらいからの夢であり目標でありました。
私はもともと、聖マリアンナ医科大学病院の産婦人科で、産科の副部長や婦人科の副部長として働いておりました。総合周産期センターでの勤務では、通常の妊婦健診や分娩に立ち会う仕事ともに、様々な家庭の事情をお持ちの妊婦さんの妊娠中の対応や産後の生活への支援を行ってまいりました。生まれて間もなくから乳児院で生活しなければならないお子さんも少なくなく、どの乳児院も満杯で空きができるまで病院でお預かりするようなこともありました。乳児院から児童養護施設へ。児童養護施設では18歳を迎えると施設を出ていかなければなりません。金銭的な自立は困難であり、自分のしたいことよりも生きていくことを優先しなければならず、仕事の選択肢が非常に少ないと伺っております。
一方で私は、女性医学、すなわち更年期障害や月経異常に関する専門医師でもあります。様々な理由で通常よりも早く閉経を迎えた方へのホルモン補充療法やそのほかの治療を行う診療部門の責任者を仰せつかっておりました。子供を持ちたいけれども、そのような理由からなかなか妊娠が難しく、つらい思いをなさっている患者さんが多くいらっしゃいます。
このような2つの部門に関わっておりましたので、乳児院には入った赤ちゃんとなかなか妊娠することが難しい患者さんとで里親制度を推進できないものかと思い、およそ10年間自分なりに活動をしてまいりました。しかし、残念ながらなかなかうまくいきません。そうこうしているうちに10年経ってしまったのです。
私は考えました。そしてこのような結論に辿り着きました。私が私のできることをしようと。財団法人Nightingaleは、近隣の児童養護施設の希望者で聖マリアンナ医科大学看護学校に合格したならば3年間の学費と生活費を支給・支援します。そして看護師の資格を取得することで自立した生活を送りさらに本当の自分の夢を掴んでもらう、ことを目標とする団体です。Nightingaleから学生たちに支給・援助される学費や生活費は、五十嵐レディースクリニックを受診していただいた患者さんの診察料の一部を充てさせて頂きます。皆様から頂いた診察料の一部を学生の学費や生活資金に充てさせていただくことから、皆様にも私たちと一緒に若者の夢をかなえる手伝いをしているのだと、気持ちを共有して頂けたら非常にうれしく思います。
一般財団法人Nightingaleの名前の由来はいくつかあります。一つは有名な「クリミアの天使」世界で一番有名な看護師さん。二つ目は、アンデルセン童話に出てくる病を治す、偽物ではない本物の鳥です。そして三つ目は赤い彗星の専用機です(笑)。
そして、Nightingaleのロゴマークも完成致しました。

左側の小さい盾が私達五十嵐レディースクリニックです。私達はほんの小さな盾かもしれませんが、強固な意志と希望を持っております。遠くない未来に、一生懸命に私たちが見守った若者たちが、将来立派に成長して、大きな盾となってより多くの患者さんを守り、護り、衛ってくれるようにという願い、祈りを込めてダブルシールドのロゴマークを作りました。
植物と果物は、私の妻が奄美大島の出身であることから、ハイビスカスとマンゴー。私達の活動がいずれは遠く南の島までも広がっていきますように、と願いを込めています。
川崎市役所の担当職員さんと連携し、具体的な活動を始めております。まだまだ実績はありませんが、ゆっくりかもしれませんが、着実に歩みを進めます。
大学病院に勤務していた頃、お母さんと離れて暮らさなければならない赤ちゃんを、お母さんをたくさん見送ってきました。泣きながら赤ちゃんを市の職員に渡して、去っていく赤ちゃんを見送るお母さんの震えた背中が脳裏に焼き付いて忘れられません。あの時何もできなかった、何もしてあげられなかった私は今、できることがあります。まだ出会っていない、もしかしたら赤ちゃんの時に会っていたかもしれない君たちの夢に間に合いますように・・・。
皆さまと一緒に、児童養護施設を卒業する若者の夢に向かう手伝いをさせてください。何かを成し遂げたいという信念は、持ち続ければ必ず形になると信じております。私たちの活動はまだまだ小さいかもしません。でも、少しずつ広がってくれたら大きな活動につながる、一燈照隅万燈照国。これからも五十嵐レディースクリニックと産声をあげた一般財団法人Nightingaleをよろしくお願いいたします。
五十嵐レディースクリニック
院長 五十嵐 豪
略歴
学歴
- 平成7年 私立浅野高等学校卒業
- 平成14年 聖マリアンナ医科大学卒業
- 平成21年 聖マリアンナ医科大学 大学院博士課程修了
職歴
- 平成14年 聖マリアンナ医科大学病院 研修医(産婦人科)
- 平成25年 聖マリアンナ医科大学 産婦人科学 講師・産科副部長
- 平成27年 聖マリアンナ医科大学 産婦人科学 講師・婦人科副部長
- 平成30年 聖マリアンナ医科大学 産婦人科学 講師・産科副部長
- 令和2年 五十嵐レディースクリニック 院長
- 令和4年 一般財団法人 Nightingale 理事長
- 令和5年 聖マリアンナ医科大学産婦人科学 同門会幹事
- 令和5年 聖マリアンナ医科大学 産婦人科学臨床教授
- 令和5年 川崎市多摩区医師会支部長代表
- 令和5年 川崎市産科婦人科医会 理事
- 令和5年 神奈川県産科婦人科医会代議員
- 令和5年 日本プラセンタ医学会 理事
資格
- 医学博士
- 母体保護法指定医
- 日本産科婦人科学会 専門医
- 女性ヘルスケア専門医
- 日本女性栄養代謝学会会員
- 日本周産期・新生児学会会員
- 日本抗加齢学会会員
- 日本東洋医学会会員
- 日本プラセンタ医学会会員
- 点滴療法研究会会員
- 月経血幹細胞臨床研究会会員