皆様こんにちは。HPVワクチン学術講演に参加してまいりました。
大事と思われたことをメモしてまいりました。
・ HPVウイルス(子宮頸がんの原因ウイルス)には、50歳までに80%以上の女性が性交渉により感染している。
・最初の男性パートナーからの女性の感染率は1年で28%、3年で50%。
・ 子宮頸がんに毎年約1万人くらいが罹患し、約2900人が亡くなっている。学校で例えると、2クラスに1人が子宮頸がんになり、10クラスに1人が子宮頸がんで亡くなる計算になる。
・日本では2000年から増加傾向。25歳~40歳で増加している

これまでの日本の最新のデータで、子宮頸がんワクチンによって子宮頸がんの予防効果がはっきり認められいています。かつて、私が大学病院の研修医であった頃、20年くらい前になります、40代の子宮頸がん末期の患者さんを受け持ったことがありました。最後のお看取りの際、小学生のお子さん、男の子2人が、はらはらと涙を流して立ち尽くしていたことを覚えています。なくなる前に、この患者さんは、子供たちの子供たちのこれからの成長をみられない、見てあげることができないのが悔しいと涙ながらに仰っていました。私は何もして差し上げられませんでした。なんにもできなかった。

もし、10代の方、20代の方でこれから子宮頸がんワクチンを接種しようか悩んでいらっしゃる方がこれを見てくださっていたら、どうか聞いてください。子宮頸がんワクチンを打つことで、若い世代、すなわち30代での子宮頸がんになるのを80%以上の割合で予防できます。ワクチンの効果は10年以上続くこともわかっています。ワクチンを打つことは自分を守るだけでなく、子宮頸がんにならない元気な自分でいることで将来の家族を守ることにもつながります。小さい自分の子供たちと、旦那さんと楽しく一緒に元気に暮らしてゆく・・。当たり前と思っていらっしゃるかもしれませんが、健康や安全というのは待っていてもやってきません。ご自身で考え、獲得するものです。副反応を心配されている方もたくさんいらっしゃいます。ですが、副反応の発生は2000人に一人、さらに重大な副反応の発生は20000人に一人、とこれまでの日本人のデータからわかっています。非常に少ないとご理解いただけると思います。万が一副反応が出たとしても、私達かかりつけの産婦人科医が全面的にバックアップさせて頂きますし、安心して接種していただける体制、システムはすでに構築されています。もちろん私の子供たちにもいずれ接種してもらいます。20年前、あの時私には何もできませんでいたが今はできることがあります。だからもう一度、何度でも繰り返します。子宮頸がんワクチンの接種は、ご自身の命を守ると同時に、将来の家族を守ることにもつながります。ですので、自身の接種にとどまらず、どうか大事なお友達にも教えて、お勧めしてあげてください。大事な友達が将来、予防できたはずの子宮頸がんで嫌な思いをしないために、お友達とその家族の未来を守るために・・・。

ついつい熱くなって長くなってしまいました。では皆様お元気でお過ごしください。