皆様こんにちは。
最近興味のある、老化と、それに抗う若返りについての講演を拝聴しましたのでまとめました。
次回に記載させていただく予定のフレイル研究会にも関連する内容でした。

最終糖化産物をAGEs(Advanced Glycation End Products)を標的とした抗加齢医療

  • 糖尿病に罹患すると、健康寿命が15年短くなる。心血管イベントによる死亡リスクは2.3倍、がんによる死亡リスクは1.25倍、非血管疾患死のリスクは1.7倍に増加する。また、骨粗鬆症やアルツハイマー、心房細動のリスクは2~3倍増加する。
  • 過去にどのくらい高い高血糖に、あるいはどの程度長い期間暴露されていたかが、その後の糖尿病合併症の進展を左右する。
  • 糖尿病では、高血糖が持続することにより生体内のたんぱく質が糖化されやすくなっている。
  • 最終糖化産物をAGEs(Advanced Glycation End Products)という。グリコアルブミン、HbA1cはAGEsの前駆物質である。
  • 糖尿病の有無に関わらず、血液中のAGEsの値が高ければ直腸がん、乳がん、すい臓がんの発症リスクが上がる。
  • 喫煙、運動不足、精神的ストレス、睡眠不足、朝食抜き、甘いものの食べ過ぎはAGEsを上げるリスクとなる。
  • AGEsが高い人は、見た目が老けている、握力が低いのが特徴である。
  • AGEsを抑えるためには、揚げ物や焼き物を避け、煮たり茹でたりして食べるのが良い。ファーストフードや清涼飲料水は避ける。早食い、まとめ食いをしない。野菜、繊維質を摂る。低GI食、ブロッコリースーパープラウトや雪国まいたけなどがお勧め。

科学的根拠に基づくアンチエイジング治療医開発のロードマップ

  • 老化細胞除去治療(Senolysis)では、肺線維症の症状を改善させ、あるいは糖尿病を改善するといった報告がある。
  • SAGP陽性老化細胞除去ワクチンを用いたマウスの実験では、動脈硬化を改善し、寿命を延ばしたという報告もある。
  • 有名雑誌ネーチャーに、34歳、60歳、78歳で老化が進むとの論文がある。
  • 日本人高齢者の歩行速度は年々向上している。85歳以上の高齢者は、25年前と比較して男性で10歳、女性で20歳若い世代と同等の歩行速度になっている。
  • 年を重ねても老化しない生き物がいる。
  • 動物実験で老化抑制効果が確認された物質について、ヒトで効果を確認する段階にきている。
  • NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)は枝豆、ブロッコリー、キュウリ、キャベツ、アボガド、トマトなどに含まれている。わさびを吸ったときに出る物質であるわさびスルフォラファンと同様に動物実験などで老化抑制効果が報告されている。

この学会では、老化は疾患であると喝破しております。今後も興味深い研究内容が発表され続けそうです。
では皆様、お元気でお過ごしください。