皆様おはようございます。
今日は肝斑についてのシンポジウムをまとめてみました。
シンポジウム・肝斑を見極める
- 肝斑の原因は遺伝、日光、性ホルモン
- できる場所は、血管増生の領域に一致している
- 肥満細胞が皮膚光老化の初期段階に関与している。
肝斑の治療
- 外用・・ハイドロキノン、トレチノイン、ステロイド。ただし、副反応として色素沈着に注意。ほかにもチロシナーゼ阻害剤、グルタチオン注射、美白剤、各種アンチエイジング化粧品、幹細胞を活性化する化粧品など
- 内服・・抗酸化食品一般。トラネキサム酸(750㎎/日)は肥満細胞を減少させる効果を認めた。ケトチフェンは、ヒスタミンを放出し色素沈着をおこし、光老化にも関連たりしている肥満細胞をコントロールする作用がある。
- 肝斑の治療では、炎症性色素沈着を起こすリスクがある。
- 皮膚・表皮の若返りとして、表皮ピーリングがある。ハイドロポレーションは色素沈着に効果があり、痛みもない。
- トリプルコンビネーションクリーム(ヒドロキノン、トレチノイン、フルオシノロン)も有効。
- アメリカでは、ハイドロキノン単独、またはトリプルコンビネーションクリームが推奨されている。
- 遮光が最も重要。酸化亜鉛二酸化チタン含む遮光材やTinted sunscreen色付き遮光剤などを利用したらよい。
- 8週間の遮光・ハイドロキノン・トラネキサム酸による治療で効果が出ない、またはできない場合にはレーザーやケミカルピーリングに進む。
- 肝斑はプラスミン活性化によりメラニン産生が亢進、かつ真皮に炎症反応が起きている。トラネキサム酸はそれを抑える。
- トラネキサム酸1000㎎/日とビタミンCを1000㎎/日摂取すると、84.7%に改善がみられたというデータがある。
- 美容皮膚科学会としてのコンセンサスとして、トラネキサム酸の1日摂取量は500㎎~750㎎でも十分で、4週間で効果が出る。プロテインS欠乏症の患者では深部血栓をおこす可能性があり注意が必要。2か月使って1カ月休む。または3カ月使って3カ月休むことをお勧めする。
肝斑のレーザー治療など
- Qスイッチフラクショナルレーザー、QスイッチYAGフラクショナルレーザーは、短期間でよくするが再燃する。完全になくす治療法ではないことを認識するべきである。
- IPLは効果を認めるが、ハイドロキノンやトリプルコンビネーションクリーム、トラネキサム酸との併用がよりよい。
- 肝斑は光老化なので遮光が最も大事。
- 女性ホルモンの暴露で肝斑が増えることが言われている。
肝斑に対して、当院ではトラネキサム酸とシナール、漢方薬、フォトフェイシャルによる治療を行っております。
それでは皆様、お元気でお過ごしください。