皆さまこんにちは。夏季休暇を頂きまして、福岡で開催された日本産科婦人科学会に参加してまいりました。

今回の学会では、月経不順(生理不順)の講演が印象に残るものでした。
月経不順の原因は甲状腺の病気や糖尿病など多岐に渡りますが、女性の5人に1人、しかも65%の頻度で遺伝するという多嚢胞性卵巣症候群(通称PCOS)は見逃せない疾患です。月経が不順であることに加え、男性ホルモンが高く、超音波検査で特徴的な卵巣の見え方が確認されることで診断されます。
多嚢胞性卵巣症候群(通称PCOS)の方は、閉経していないのに長期に月経(生理)が来ないことから、体調が悪くなったり子宮がんのリスクが上がったりすることは有名です。ですから最低でも数カ月に1回は薬を使ってでも月経(生理)を起こすことが肝要であることは間違いありません。

しかし、それだけではダメなんだと今回非常に勉強になりました。多嚢胞性卵巣症候群(通称PCOS)の方は、様々なメカニズムで排卵がうまく起こらないことなどが絡み、体全体を巻き込んだ代謝異常が起きているというのです。その結果、中性脂肪が上昇し、脂肪肝のリスクが上昇。また、肥満、高血圧、二型糖尿病、肝疾患、心疾患、不妊症のリスク、そのほかタボリックシンドロームのリスク14倍、子宮体がんのリスクが正常女性の3倍高く、卵巣がんも多くなるようです。

最近ではこの多嚢胞性卵巣症候群(通称PCOS)に対して、新しい治療法についても検討、提案されてきています。月経(生理)が順調に来ていないことを放置していらっしゃいませんか?体重が全然減らなくなったとかありませんか?気になることがあるようでしたら、かかりつけの産婦人科医にご相談ください。

月経(生理)不順の原因を突き止めて治療を早めに開始することで、今後おこりうる病気を未然に防ぐ。これこそが未来ある女性を護る、これからの産婦人科医療なのではないでしょうか。では皆様、お元気でお過ごしください。