皆様こんにちは。日本女性医学会のワークショップに参加するため徳島に行ってまいりました。かいつまんで身になったお話としては・・・
ピル(生理痛の治療に用いたり、避妊目的で使用するいわゆるピルです)を使うと妊娠しにくくなる、といったような噂を耳にしたことがありますが実際はそんなことはありません。むしろ2年未満で止めてしまうよりも10~12年使っていた方のほうがやめてから妊娠しやすいといわれています。一般的にピルをやめてから2~3か月以内に通常の生理周期(排卵の回復)に戻りますが、もとに戻れば妊娠のしやすさは飲んでいなかった方と変わりません。生理痛の主な原因とされる子宮内膜症は不妊症の原因となりますが、ピルはこの生理痛の治療薬として使われ、内膜症にも威力を発揮します。長期にピルを使っても妊娠のしやすさに影響がないのですから、使用できるのであれば、生理痛の治療としてピルは将来のためにも非常に有効です。
また、このピルを使用すると子宮体癌のリスクは50%低下、同様に卵巣癌、大腸がん、直腸がんも低下することがわかっています。さらに、長期間使えば使うほど(長い方で15年)子宮体癌、卵巣癌のリスクは低下、そして30年後もその効果は継続するといわれています。メリットだらけです・・・が、血栓症には注意が必要ですね。では皆様、お元気でお過ごしください。