皆様こんにちは。先日大阪で女性医学学会があり、更年期障害に対するプラセンタ注射についての講演会の座長を務めさせていただきました。日本臨床胎盤学会の理事長であらせられる、長瀬眞彦先生にご講演をいただき、今後の更年期障害の患者さんにプラセンタ注射を行うにあたり、大変勉強になる有意義な時間でした。写真は、ご講演の最後に記念として撮っていただきました1枚です。

さて、この学会では子宮頸がんワクチンについてのセッションもあり、新しい情報が多く勉強になりましたので列挙したいと思います。

  • HPVウイルスは大体皆性交渉で感染するが、自身の免疫力で表面上治ったように見える。しかし、最近このウイルスはヘルペスウイルスと同様に治っても体の中に潜伏し40~5代で再活性することが分かってきた。再活性率の高い型は、16.18.6.11.33で最大16%と言われている。
  • HPVの16と18の型はスーパーハイリスクと言われ、若年子宮頸がんの90%を占める。
  • 子宮頸がんワクチンは、4価であっても、93.9%の有効性が示されている。
  • スウェーデンの研究では、16歳までに子宮頸がんワクチンを接種すれば、感染のリスクは88%低下することがわかった。
  • 子宮頸がんワクチンを打つ年齢によって感染のリスクが異なることが分かっている。打たない場合の感染リスクを1とした場合、16歳以下では0.13、17歳から19歳で0.29、20歳~30歳で1.15.すなわち、20歳以降で接種しても打たない場合とリスクは変わらない、打つ意味はない、ということがわかる。
  • 2020年の20歳のHPV感染率は増えている。
  • 子宮頸がんワクチンは、接種後14年くらいまで効果があることが分かっている。そして、それ以降まで効果が継続するかはまだ分かっていない、というよりはまだ観察途中なのでわからない。

    ざっとこのようなお話を伺いました。私にも娘がおりますが、ワクチン接種ができる年齢になりましたら、打ってもらおうと思います。子供の将来を守るための努力は惜しみたくありません。何十年か経った後、あの時勧めてもらってよかった、ありがとうと思ってもらえればそれで私は十分です。
    では皆様、お元気でお過ごしください。