皆様こんにちは。
今日は、「The Role of Vitamin C , Vitamin D, and Selenium in Immune System against COVID-19」、moleculesという海外の論文を紹介したいと思います。

 2020年の11月に発表されていますので、日本での最初の緊急事態宣言が2020年の春先ですから、第二波くらいの時期に当たります。
 有効な治療法やワクチンがまだ出来上がっていない時期、医薬品ではなくなにか予防や治療となる栄養、サプリメントはないのか!ということを主題にレビューされた論文です。
 まず、一般的なことしてウイルス感染予防には十分なビタミンやミネラルのサプリメントは重要であること、特にビタミンA、B6、B12、亜鉛やセレンなどの栄養素が足りていないと危険であること。また、ビタミンCは免疫力を高める抗ウイルス感染物質であると述べられています。
 そして、新型コロナに対するこれらの栄養素ですがそれぞれ詳しく述べられています。
 ビタミンCは主に高濃度ビタミンC点滴について記載されています。まず、臨床試験で高濃度ビタミンC点滴は一般の風邪に対して有効であるという結果が出ています。その上で、高濃度ビタミンC点滴は新型コロナ感染症に対して有効であるという報告もいくつか出ています。ビタミンCには新型コロナ感染により発症する過剰な免疫反応を抑える働きがあり、敗血症や敗血症ショックに有効であったそうです。また、ICU入院期間を短縮、死亡率の低下、生存率の上昇、酸素投与の必要性が低下などの効果を認めています。74歳の新型コロナ肺炎の患者が、高濃度ビタミンC点滴により早期に回復したとの報告もありました。高濃度ビタミンC点滴はかなり使えそうです。
 一方で、ビタミンDは不足していることが問題となります。インドネシアの研究では、ビタミンDが完全に不足している人や十分にない人は新型コロナ感染による死亡率が上昇することがわかりました。そのほかの報告も含め、ビタミンDが不足している状態で新型コロナに感染するとよくない結果になると結論づけています。日本人は全世代で不足していると統計が出ています。日光浴で日焼けしたくないのであれば、サプリメントで補充ですね。
 最後にセレンです。聞きなれないと思いますが、たらこ、カツオ、ズワイガニ、鶏卵(卵黄)牡蠣、いずれも生のものに多く含まれています。セレンは免疫機能において重要な働きをしていて、さらに府不足した状態で新型コロナにかかると体の組織や臓器にダメージを与えて死亡率が高くなるとされています。セレンの補充は免疫力強化の効果があり、十分にあると新型コロナからの回復にもよいとされています。実際に、ドイツの研究では新型コロナ感染の生存率はセレンの濃度が高い人のほうがよいという結果が出ています。セレンはサプリメントで補充できます。
 まだまだ高齢者の方、医療関係者にもワクチン接種完了までに時間を要します。挙げさせていただいた栄養の補充は、みんなに対して大事なのですけれども、特に、特に免疫力の低下した基礎疾患を抱えた方や高齢者の方には重要であり有効である可能性があります。待っていても誰も助けてはくれません。自分を守るのは自分です。できることをしましょう。行動を起こしましょう。
 では皆様、お元気でお過ごしください。