皆様こんにちは。ホルモン補充療法についての最新の情報を教わりました。
使用経験に基づく女性ホルモン製剤のSafety Up-date
- ホルモン補充療法により乳癌のリスクは1.2倍増えるが、一般的に女性の飲酒によりそのリスクは1.7倍に増加することに比較すればごく少ないといえる。
- マンモグラフィーの乳腺濃度が高いほど乳がんのリスクは上昇する。乳腺濃度は、ホルモン補充療法に用いるエストロゲンが経口の場合40~60%上昇する一方で、経皮の場合は2.6%の上昇に留まる。また、エストロゲン+プロゲスチン製剤の方がエストロゲン単独よりも乳腺濃度が上昇し、プロゲスチン製剤の持続投与の方が、周期的投与よりも乳腺濃度が上昇するとされる。
- ホルモン補充療法を終了しても、3~5年は毎年マンモグラフィーでの検査を行うことが望ましい・・・⇒今の日本人の罹患率を考えれば毎年が望ましいと思う。
- 乳腺超音波は偽陽性率が高い。どちらかであればマンモグラフィーが有用で、必要があれば狙いを絞って乳腺の超音波を追加する。
- ホルモン補充療法において、子宮体癌予防に関しては周期法よりも連続法の方が望ましい。
- ホルモン補充療法施行中に出血のコントロールがつかない場合には、黄体ホルモンを増加したり、エストロゲンの量を減少したりさせるよりは、MPAとデュファストンを変更するという手段をとった方がよい。
日本人の乳がんに罹患率が増加していることから、ホルモン補充療法を行っているかに関わらず、マンモグラフィーや超音波検査が必要です。また、何らかの原因で若年で卵巣を摘出された方は、ホルモン補充を含めた総合的な健康管理が重要です。では皆様、お元気でお過ごしください。