皆様おはようございます。
11月に都内で開催されました。女性医学学会のまとめを載せさせていただきます。
妊娠と骨粗鬆症
- 原発性無月経の患者では骨密度が低い。ホルモン補充療法が必要であるが、もし6か月中断した場合5%骨密度は減少し、元の戻るのにホルモン補充療法で1年かかる。
- 新潟市民病院のデータによると、BMIが18.5以下のやせの妊婦は産後、60%で骨量の減少や骨粗鬆症になる。また、BMIとビタミンDの低い人は骨密度が低いことが知られている。さらに、授乳によっても骨密度は低下するが、断乳により回復する。
- 妊娠後の骨粗鬆症で骨折した場合、断乳させて、鎮痛剤を投与しリハビリテーションを行う。断乳後のエディロール(ビタミンD)の投与により骨密度が劇的に改善したというデータがある。
悪性腫瘍と骨粗鬆症
- 外科的閉経による1年ごとの骨密度低下は6.7%である。
- 子宮頸がんの放射線治療の際に、骨盤に放射線を当てることで1.66倍骨盤骨折のリスクが上がる。
- 閉経前に乳がん治療としてタモキシフェンとGnRHaを使用すると、骨量は少し低下する。また、アナストロゾール(アリミデックス)は骨量を下げる。
閉経後骨粗鬆症
- 閉経後の微量の女性ホルモンにも意味がある。今後は閉経後の年齢に合わせて補充するホルモンの量を調整する必要がある。
ビタミンDと骨粗鬆症
- 海外でのビタミンD摂取基準は70歳以下で15μg/日。71歳以上では20μg/日である。
- ビタミンDの過剰摂取による健康被害があるとすれば、高カルシウム血症である。ビタミンDの耐容上限量は100μg/日。しかし、不足している人には有効。血清25(OH)Dを測定する。
妊娠高血圧症候群の予後と産後ケア
- 妊娠中に妊娠高血圧症候群と診断された患者は、産後に深部静脈血栓症と心血管疾患、脳卒中のリスクが増加する。一方で乳がんなどのがんのリスクは上昇しない。
- 妊娠中に妊娠高血圧症と診断された患者は、高血圧が通常よりも10年早く発症する。また、分娩から40年後の高血圧の割合は40%で、糖尿病を発症している割合は75%である。
- 妊娠高血圧症候群罹患者への啓発事項として、定期的な血圧の測定と産後の健診が重要である。また、社会への啓発も重要である。
女性下部尿路症状診療のキーポイント
- 1番多い症状は夜間頻尿。年齢とともに増える。
- 基本的な評価の方法は、現病歴、既往歴、合併症と服用している薬剤の確認である。薬剤によっては下部尿路症状を起こすものもある。
骨粗鬆症とビタミンDに関してはいろいろな学会で特別講演が組まれており、非常に注目を集めていますね。コロナ感染についても研究結果が出ています。
では皆様、お元気でお過ごしください。