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早発卵巣不全(早発閉経)とは?20代・30代で生理が来ない・無月経の原因と症状・治療を医師が解説

早発卵巣不全(早発閉経)とは?20代・30代で生理が来ない・無月経の原因と症状・治療を医師が解説

20代・30代なのに生理が来ない、何か月も無月経が続いている
——その背景に「早発卵巣不全(そうはつらんそうふぜん)」が隠れていることがあります。

かつては「早発閉経」とも呼ばれ、40歳より前に卵巣の働きが低下してしまう状態です。
早く気づいてケアを始めることで、妊娠の選択肢や将来の健康を守れる可能性があります。

この記事では、川崎市多摩区・登戸の産婦人科医が、早発卵巣不全の原因・症状・検査・治療、そして放置した場合のリスクまでをわかりやすく解説します。

五十嵐レディースクリニック院長 五十嵐豪
五十嵐レディースクリニック
院長 五十嵐 豪

日本産科婦人科学会専門医・女性ヘルスケア専門医として産婦人科医療に長年携わり、聖マリアンナ医科大学産婦人科学の臨床教授も務めています。現在は医療法人寬繋会 五十嵐レディースクリニック理事長として、地域の女性医療に力を注いでいます。

CONTENTS もくじ

早発卵巣不全(早発閉経)とは?
40歳未満で起こる無月経

早発卵巣不全(早発閉経)とは? 40歳未満で起こる無月経

早発卵巣不全とは?

早発卵巣不全(POI:premature ovarian insufficiency)とは、40歳未満で4か月以上月経が止まり、血液検査で女性ホルモンが閉経後と同じような値を示す状態をいいます。

簡単にいえば「40歳より前に、卵巣が閉経に近い状態になってしまうこと」です。

以前は「早発閉経」と呼ばれていましたが、月経や卵巣の働きが一時的に戻ることもあるため、近年は「早発卵巣不全」という呼び方が使われるようになっています。

月経が来ないとき、まず考えられるのは妊娠です。

産婦人科では、妊娠でないことを確認したうえで、無月経の原因を詳しく調べていきます。
その原因のひとつが、この早発卵巣不全です。

生理不順や無月経は珍しいことではありませんが、その裏に早発卵巣不全が隠れていることもあります。
「たかが生理不順」と放置しないことが大切です。

こんな症状はありませんか?
【早発卵巣不全のセルフチェック】

こんな症状はありませんか? 【早発卵巣不全のセルフチェック】

以下は、早発卵巣不全でみられやすいサインです。
当てはまるものがないか確認してみましょう。

  • 妊娠していないのに、生理が4か月以上来ていない
  • もともと順調だった月経周期が、急に乱れてきた
  • 突然のほてり・のぼせ(ホットフラッシュ)がある
  • 夜間に汗をかいて目が覚める、眠りが浅い
  • はっきりした理由のない疲労感が続く

これらは、若い世代にも起こる「更年期のような症状」として現れることがあります。

受診の目安

大きなストレスなどで月経が1~2週間ずれることはよくあります。
しかし、妊娠していないのに3か月以上月経が来ない場合は、一度婦人科を受診することをおすすめします。

早発卵巣不全以外にも無月経を起こす病気はあり、正確な診断には検査が必要です。

早発卵巣不全の主な原因

早発卵巣不全の主な原因

早発卵巣不全の原因

早発卵巣不全の原因は、主に次の5つに分けられます。報告によると、その内訳はおおよそ次のとおりです。


  • 遺伝に関連するもの(20~25%)
  • 自己免疫の病気(25%)
  • 手術など医療行為によるもの(15%)
  • 染色体の異常(10~13%)
  • 感染症(3~7%)

ただし、原因がはっきり特定できないことも少なくありません。

  • 遺伝に関連するもの

  • 家族(特に姉妹や母親)に閉経が早い人がいる場合などです。
    近年は関連する遺伝子も見つかってきていますが、婦人科の一般診療で遺伝子検査を行うことは多くありません(自費検査となるうえ、結果が分かっても遺伝子そのものへの治療は確立されていないためです)。



  • 自己免疫の病気

  • 早発卵巣不全の方は、自己免疫の病気を併発しやすいことが知られています。
    日本で最も多いのは甲状腺の病気(橋本病)です。
    ほかに、1型糖尿病、関節リウマチ、尋常性白斑、全身性エリテマトーデス(SLE)などが関わることもあります。


  • 手術など医療行為によるもの

  • 卵巣の腫瘍、特に子宮内膜症による卵巣の腫れ(チョコレート嚢胞)の手術後に起こることが多いとされています。


  • 染色体の異常

  • ターナー症候群などが代表的です。
    多くは婦人科を受診する前から診断・治療が始まっていることが一般的です。


  • 感染症

  • おたふくかぜ(ムンプス)などのウイルス感染が卵巣に炎症を起こし、原因になることがあります。
    ほかにヘルペスウイルスやサイトメガロウイルスなども知られていますが、頻度としてはムンプスが最も高いとされています。

早発卵巣不全を放置するとどうなる?
早期発見が大切な理由

早発卵巣不全を放置するとどうなる? 早期発見が大切な理由

早発卵巣不全は、女性ホルモン(エストロゲン)が早い時期から不足するため、月経や妊娠だけでなく全身の健康に関わります。
だからこそ、早く気づいてケアを始めることが大切です。

妊娠について

早発卵巣不全と診断された後、自然に妊娠することは簡単ではありません。
ある研究では、診断後に月経が回復するのは23~24%、そのうち妊娠に至るのは数%という報告もあります。
海外では提供卵子による体外受精が選択肢とされていますが、日本国内ではまだ一般的な治療ではありません。


POINT

一方で、早い段階で治療を始められた場合には妊娠の可能性が高まるという報告もあります。

たとえば、治療開始が35歳未満で無月経の期間が4年未満であれば、一般的な不妊治療と近い成績が得られたとする報告もあります(※研究上の報告であり、結果を保証するものではありません)。

いずれにしても、「気になった時点で早めに相談すること」で、妊娠や卵子凍結など検討できる選択肢が広がる可能性があります。

女性ホルモン低下による将来の健康リスク

エストロゲンには、血管・骨・脳を守る働きがあります。
そのため、早くから不足すると、次のような影響が指摘されています。


脂質異常・心血管への負担 総コレステロールや中性脂肪が上がりやすく、心筋梗塞などのリスクが高まると報告されています。
2型糖尿病にもなりやすいとされます。
骨密度の低下 閉経が早いほど骨がもろくなりやすく、骨粗鬆症・骨折のリスクが高まります。
認知機能への影響 閉経が早いほど、将来の認知機能が低下しやすいという報告があります。

これらのリスクは、後述する女性ホルモンの補充などで和らげられると考えられています。
過度に不安になる必要はありませんが、放置せず早めに対処することが将来の健康につながります。

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早発卵巣不全と間違えやすい病気
(無月経の他の原因)

早発卵巣不全と間違えやすい病気 (無月経の他の原因)

「生理が来ない・無月経」の原因は、早発卵巣不全だけではありません。
次のような病気でも似た症状が起こります。

1

体重減少による無月経

過度なダイエットや激しい運動で体重が減ると、月経が止まることがあります。

特に思春期・学生の女性アスリートでは「引退すれば戻る」といった自己判断で放置されがちですが、指導する側にスポーツ医学や婦人科の知識が十分でないことも背景にあり、将来の妊娠や骨の健康に関わるため、早めの受診が必要です。

2

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

排卵がうまくいかず月経が乱れる、頻度の高い病気です。
近年は国際的に名称の見直しも議論されています。
無月経が続くと子宮の病気のリスクもあるため、正確な診断が大切です。

3

甲状腺の病気・糖尿病など

治療によって改善が期待できるものもあります。

いずれも自己判断は難しいため、40歳未満で3か月以上月経が止まっていて、妊娠していない場合は、ぜひ一度検査を受けてください。

当院の検査・診断の流れ

当院の検査・診断の流れ

当院では、次のような流れで原因をていねいに調べます。

STEP01

問診

初経からの月経の間隔や量、これまでの病気・手術、服薬、運動習慣、喫煙の有無などを詳しくお聞きします。

STEP02

血液検査

女性ホルモンを含む各種ホルモン、甲状腺、貧血、血糖、脂質などを調べます。

STEP03

超音波検査

子宮の大きさや内膜の状態、卵巣の様子を確認します。

STEP04

必要に応じて

乳房の検査や骨密度検査をご案内することがあります。

POINT

早発卵巣不全の診断基準に最初から当てはまる方ばかりではなく、「将来的に早発卵巣不全になる可能性が高い」段階で見つかる方もいらっしゃいます。

ご結婚の有無や、今後お子さんを希望されるかどうかなど、その方の人生設計に合わせて、一度だけでなく複数回に分けてご相談しながら方針を決めていきます。

早発卵巣不全の治療法
妊娠を望む場合とホルモン補充療法

早発卵巣不全の治療法 妊娠を望む場合とホルモン補充療法
治療は大きく、「妊娠を目指す治療」と、「将来の健康を守るためのホルモン補充」の2つに分かれます。

妊娠を望む場合

ご自身の卵子での妊娠を目指す場合、専門的な治療が必要になることがあります。

当院では、早い段階から不妊治療の専門施設と連携し、適切な情報提供とご紹介を行っています。
専門施設では、ホルモンの量を調整しながら卵巣を刺激する方法などが行われています。

ホルモン補充療法(HRT)

不足した女性ホルモンを補い、骨・血管・脳など将来の健康リスクに備える治療です。
子宮のある方では、原則としてエストロゲンと黄体ホルモンの2種類を使用します。

エストロゲンは貼り薬や塗り薬など、体への負担が少ない方法が選ばれることが多くなっています。
適切なホルモン補充により、心臓や血管の病気のリスク低減が期待できるという報告もあります。


POINT

ホルモン補充療法には、血栓症などの副作用が起こる可能性もあるため、一人ひとりの状態を診ながら慎重に進めます。
また、使用する量や内容によっては保険適用外(自費診療)となる場合があります。

ご自身でできる生活のケア

禁煙、適正体重の維持、適度な運動、お酒を控えめにすること、バランスのよい食事は、心臓や血管の負担を減らすうえで役立ちます。

よくある質問(FAQ)

Aほぼ同じ状態を指します。
以前は「早発閉経」と呼ばれていましたが、月経や卵巣の働きが一時的に戻ることもあるため、近年は「早発卵巣不全」という呼び方が使われています。
A一度低下した卵巣の働きが元通りになることは、多くありません。
ただし、女性ホルモンを補うことで症状をやわらげ、将来の健康リスクに備えることができます。
A簡単ではありませんが、可能性はゼロではありません。
早い段階でご相談いただくほど、検討できる選択肢が広がります。
まずは専門的な検査を受けることが大切です。
A産婦人科(婦人科)です。
生理が来ない・無月経が気になる場合は、お気軽にご相談ください。
Aはい。
早発卵巣不全は40歳未満で起こる状態で、20代・30代でみられることもあります。
若い世代で「更年期のような症状」がある場合は、一度ご相談ください。

川崎市多摩区で早発卵巣不全・無月経のご相談は五十嵐レディースクリニックへ

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「生理が来ない」「無月経が続いて心配」

——どんな些細なことでも構いません。
早発卵巣不全は、早く気づくことがとても大切な状態です。

当院では、患者さん一人ひとりの状況やライフプランに寄り添いながら、ていねいに診療いたします。
川崎市多摩区・登戸周辺で婦人科をお探しの方は、お気軽にご相談ください。

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川崎市で避妊や生理痛、更年期症状など女性特有のお悩みを丁寧にサポートしています。どんな小さなことでも構いませんので、どうぞお気軽にご相談・ご予約ください。

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この記事の監修者
五十嵐レディースクリニック院長 五十嵐豪
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院長 五十嵐 豪

日本産科婦人科学会専門医・女性ヘルスケア専門医として産婦人科医療に長年携わり、聖マリアンナ医科大学産婦人科学の臨床教授も務めています。現在は医療法人寬繋会 五十嵐レディースクリニック理事長として、地域の女性医療に力を注いでいます。

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